欲しかったアルバムの商品説明に「VG+ / VG」と書かれている。ジャケットも魅力的で、価格も予算内。針を落としたとき、どんな音を期待してよいのでしょうか。

この記号はコンディションを表しています。意味を知ると、購入前の確認が具体的になり、自分のコレクションの状態も説明しやすくなります。

このページには、A4一枚のグレード早見表が付いています。PDFでダウンロードすると、MintからPoorまでの全等級をイラスト付きで確認でき、印刷してもスマートフォンに保存しても使えます。

レコードのグレード早見表(図解)。MintからFair/Poorまでを紹介する日本語のコンディションガイド。AI生成画像は説明用のイメージであり、実物の等級を判定するものではありません。

ガイドの画像を開くと、拡大表示や保存ができます。

グレード早見表:「Good」を日常の意味で読まない

DiscogsはGoldmineのグレーディング基準を採用しています。ここでの言葉は状態の等級名なので、「Good」だから美品だとは限りません。以下は盤の基準を短くまとめたものです。詳しくはDiscogsのグレーディングガイドをご覧ください。

等級 状態
Mint(M) 未再生で欠点のない状態。慎重に使う等級で、未開封というだけでは完全な状態を保証できません。
Near Mint(NMまたはM−) 目立つ使用感がなく、再生にも状態由来の問題がない、ほぼ新品の状態。
Very Good Plus(VG+) 丁寧に扱われた跡や軽いスレはあるものの、鑑賞に影響しない状態。
Very Good(VG) 摩耗やノイズが認められますが、ノイズが音楽をかき消すほどではない状態。
Good Plus(G+)/Good(G) 傷みやノイズは目立ちますが、針飛びせず最後まで再生できる状態。
Fair(F)/Poor(P) 大きな損傷があり、途切れずに再生できない場合がある状態。

G+とG、FとPは、それぞれ別の等級です。図では見やすさのためにまとめて紹介しています。

グレード早見表をダウンロード(PDF・A4・1ページ)印刷したりスマートフォンに保存したりして、レコード探しのときに使えます。

VG+とVGの違いは、聴くと分かる

実用上の境目は、傷みが再生に影響するかどうかです。VG+には軽い外観上の跡があっても、VGではノイズや摩耗の影響が聞こえます。静かな部分では、その違いが目立つこともあります。Goldmineの解説で基準を確認できます。

同じアルバムの出品を二つ見つけたとします。一方には「軽いスレあり、試聴済み」、もう一方には「冒頭のピアノ部分にチリノイズあり」と書かれています。後者なら、どの場面で何を受け入れることになるかを具体的に考えられます。前者にも、どこまで試聴したのか確認すると判断しやすくなります。

自分の聴き方も大切です。くつろぐためにかけるアルバムで、ときどき入るノイズは気になるでしょうか。なかなか見つからない一枚なら許容できるでしょうか。見つけた喜びだけで決める前に、考えておきたい点です。

盤とジャケットは別々に見る

きれいな盤が、傷んだジャケットに入っていることもあります。Goldmineは盤と包装を別々に説明しています。リングウェア、折れ、底抜けなどはジャケットの問題で、溝の状態や再生具合は盤の問題です。盤とジャケットの評価基準を参考にしてください。

Media VG+ / Sleeve VGと明記されていれば、盤のほうが良好で、ジャケットにはそれより使用感があるという意味です。「VG+ / VG」だけの場合は、表記の順番を確認しましょう。

オリジナルの内袋、インサート、ポスター、帯など、欲しい付属品についても質問しておくと安心です。何が揃っていてほしいか、短いリストにしてみてください。等級の略号だけでは、そのリリースの付属品までは説明できません。

Discogsの評価:MediaとSleeveを別々に付ける

Discogsマーケットプレイスの出品には、出品者が付ける評価が二つあります。盤の状態を示すMedia Conditionと、ジャケットの状態を示すSleeve Conditionです。どちらも上で紹介した等級を使い、出品ページでは次のように表示されます。Mint(M)、Near Mint(NM or M-)、Very Good Plus(VG+)、Very Good(VG)、Good Plus(G+)、Good(G)、Fair(F)、Poor(P)。

Sleeveの欄には、さらに二つの選択肢があります。

  • Generic: そのアルバム専用の印刷ジャケットではなく、無地の袋やレコード会社の汎用スリーブに入っている状態。価値が低く簡単に替えられるため、Discogsでは汎用スリーブをそれ以上評価しません。
  • No Cover: オリジナルのジャケットが欠けている状態。

二つの評価で表しきれない点は、出品者のコンディションコメント(item condition comment)に書かれます。ジャケットの割れ、レーベルのシール、インサートの欠品、どちらの面にノイズがあるか、などです。このコメントも評価と同じくらい丁寧に読みましょう。「Media VG+, Sleeve Generic」は聴くには良い盤かもしれませんが、オリジナルのジャケットを集めている人にとっては揃った状態ではありません。各欄の説明はDiscogsのグレーディングガイドにあります。

DiscogsとGoldmineの等級の対応

DiscogsはGoldmineの基準を採用しているため、等級は一対一で対応します。DiscogsのVG+は、GoldmineのガイドでいうVG+と同じ意味です。違うのは見せ方だけです。GoldmineのガイドはGoodとGood Plus、PoorとFairをそれぞれまとめて説明していますが、Discogsではそれぞれが別の選択肢なので、出品者はG+かG、FかPのどちらかを選ぶ必要があります。

そのため、Goldmineの価格の目安はDiscogsの等級にもそのまま当てはまります。

  • NM(M-): 基準となる価格。
  • VG+: Near Mintのおよそ半分。
  • VG: 4分の1以下。
  • F / P: 0〜5%。そもそも売れないこともあります。

同じ等級の実際の落札価格を調べる方法は、レコードの価値の調べ方で紹介しています。

写真だけでは分からないこと

目視と試聴では、確認できることが異なります。Goldmineのガイドは、状態の観察と試聴による評価を説明しています。表面に光沢があるだけで、再生状態まで確認できたとはいえません。

今回の図は説明用のイメージです。傷の数や形を一つずつ照合して判定するための見本ではありません。照明や反射によって、写真に写るものも変わります。「両面を最初から最後まで再生しましたか」と具体的に聞くほうが役立ちます。

気になる一枚なら、次の質問から始めてみてください。

  • 目視による評価ですか、試聴による評価ですか。それとも両方ですか。
  • 両面を通して確認しましたか。一部の曲だけですか。
  • 周期的なクリック音、歪み、針飛び、強いチリノイズのある箇所はありますか。
  • レーベル、ジャケットの角、背の状態が分かる写真はありますか。
  • 付属品は何があり、それぞれどのような状態ですか。

判断するときは、出品者の回答を商品説明とあわせて読み返しましょう。大切な点が不明なままなら、その部分について追加で質問してください。

CDの場合は?

MintからPoorまでの等級は、CDにもそのまま使われます。DiscogsはすべてのフィジカルフォーマットでGoldmine基準を採用しているからです(Discogsのグレーディングガイド)。違うのは、確認する場所です。

  • ディスク: 再生面にスレや傷がないかを見てから、最後まで再生します。レコードと同じく、Good以上の等級なら、音飛びや停止なしに最後まで再生できるはずです。
  • 「ジャケット」: CDの場合は、インレイ、ブックレット、デジパック、スリップケース、ボックスを指します。一般的なジュエルケースは安価で簡単に交換できるため、評価の対象にはなりません。
  • パーツごとに: ブックレット、トレイカード、インサートの状態が違う場合は、それぞれ分けて記載します。

CDにはエラー訂正の仕組みがあるため、軽いスレは再生に影響しないことがよくあります。だからこそ、ディスクを評価するときは試聴が大きな意味を持ちます。

次の一枚をコレクションへ

探し始める前に、持っているアルバムと欲しいアルバムを整理しておくと便利です。CRATTOではコレクションを管理し、ウォントリストを作成できます。次のレコード探しで、自分が何を探しているかを見失いにくくなります。

使い方はCRATTOでレコードを管理する方法で紹介しています。等級、出品者の具体的な説明、自分の聴き方をあわせて考え、どんな一枚を迎えるのかを確かめましょう。